古い昔から存在する着火方法です。コンロやライターが当たり前に存在する現代社会では、火打石はまず必要になりません。しかし、あえて使い方をマスターしてみることで物質の特性を体感する事が出来ます。キャン育(キャンプ教育)の優れた教材としてもおすすめです。
火打石とは
古来からある着火道具でガスや電気に頼らず着火する事が出来ます。火打石と一言にしていますが実際には以下の道具を使用します。
火打石で焚き火をするための道具一式
- 火打石
- 火打金
- 火口(ほくち)
- 燃えやすい素材
必要な道具を準備しよう
今回使用するのはPSKOOKさんの火打石セットです。火打石で火をつけるために必要な物がセットされています。別で紹介しているメタルマッチも一緒に入れて火遊びグッズをスマートに収納できます。
パッケージ
ちょっと体勢が謎なパッケージですが非常にコンパクトです。
パッケージから中身を取り出すと銀色の缶が出てきます。
英語で説明書きが書かれていますね。
翻訳すると・・・・この箱で『チャークロス』を作れるよ!運ぶ時にちょっと曲がってるかも知れないけど問題ないよ!俺たちのチャークロス作成ビデオ探してくれよな!って感じでしょうか。
ちなみにPSKOOKさんのチャークロス作成ビデオはこちらです。
オープン!またまた説明書きが書かれていますね。『錆びるからきれいにして保管してくれよな!』って感じでしょうか。
では、さっそくアイテムの中身を紹介しましょう!ヽ(=´▽`=)ノ
火打石
火打石とはこの後出てくる火打金とセットで使用する石の事です。一般的に火打石と言えば石通しを打ち合わせるイメージがあるかもしれません。しかし、使用する石は片側のみです。火打金を削る必要があるので角があり尖ったものである必要があります。
火打金
持ちやすい形状に加工した鉄の塊です。火打石と打ち合わせることで火花を生み出す事が出来ます。ちなみに削れているのは火打石ではなく火打金です。火打金の鉄粉が散り発火することで火花になるのです。
火口(ほくち)
火花は一瞬で消えてしまいます。この為、火花を使って短い時間で火がつく材質の物を用意しなければなりません。これが火口(ほくち)です。火口は綿製の布を炭化させた『チャークロス』と呼ばれるものを使うのが一般的です。
燃えやすい素材
火口は非常に小さい火種である為、そのままでは大きな火にはなりません。そこで麻紐を解いてふわふわにした着火しやすい素材を用意して火口の火種から引火させます。
大昔は薄く割いた木に硫黄をつけてマッチのように着火できる物を用意したようです。現代でマッチを用意してしまうと『それだけで着火出来るやん!』となるのでおすすめしません(笑)
小枝・薪を組んだ焚き火
最終目的が焚き火であれば、通常通り燃えやすい小枝から順に大きくなるように組んだ焚き火を用意しておきます。
使い方
では、実際に火打石を使った火の付け方を紹介します(∩´∀`)∩ワーイ
火打石の火の付け方
- 火打石に火口を乗せる
- 利き手に火打金、反対に火打石を持つ
- 火打金を火打石に打ち付けて火花を散らせ火口に着火する
- 火口に火がついたら麻紐を解いたもので包む
- ゆっくり空気を吹きかけながら火を育てる
- 無事に火が上がってきたら小枝に火を移す
- 小枝から薪に火を移していき焚き火にする
火打石に火口を載せる
火花はあまり遠くまで飛びません。火打石に火口を乗せて火花が当たりやすい位置で固定します。形状によって火花が散る方向は変わるのですが、火打石の上で少しはみ出すように置くと着火しやすいです。
利き手に火打金、反対に火打石を持つ
打ち付ける時には火打石は動かさず火打金だけを動かします。この為、利き手に火打金、反対の手に火打石を持つとやりやすくなります。
火打金を火打石に打ち付けて火花を散らせ火口に着火する
火打石の角に打ち付ける
火花は火打金が削れた物が燃える事で起こります。この為、火打石の尖った角に火打金をぶつける事で火打金が削れ易くします。
平らな部分ではダメ
平らな部分ではいくら打ち付けても火花は散らないので注意してください。
火打石に角が無いなら割る
角が無い全て取れてしまった火打石では着火出来ません。可能ならハンマーで叩いて半分に割る事で新たな角を作り出す事が出来ます。
火口に火がついたら麻紐を解いたもので包む
火口に火花が散り煙が上がってきたらチャンスです。麻紐を解いた物に火を移す為、火口を麻紐を解いた物で柔らかく包みましょう。
ゆっくり空気を吹きかけながら火を育てる
麻紐の上から火種に優しく息を吹きかけます。これは火種の周りに酸素を送り火が消えないようにする為です。上手くいけば煙が大きくなり、やがて火があがります。
無事に火が上がってきたら小枝に火を移す
麻紐は非常に燃えやすいのでものの数秒で燃え尽きてしまうでしょう。この間を逃さず燃えやすい小枝などに火を移して行きます。
燃え尽きるのが早い場合
燃え尽きるのが早すぎる場合は解いていない麻紐を多めに用意してまずそちらに火を移す手段もあります。燃えやすい物から段階的に燃えにくい薪まで細かく段階を用意する事で難易度が下がります。この辺りは経験と勘による所が大きく腕の見せ所でもあります。色々な方法を試して自分なりの着火方法を身につけましょう。
小枝から薪に火を移していき焚き火にする
小枝まで火が移れば後は火が消えないように注意しながら薪まで火を移しましょう。果たして薪に火が付けば焚き火の完成です。お疲れ様でした!o(^▽^)o
番外編
そこら辺の石を火打石にする
実は火打石は専用品でなくても構いません。火打金を削るだけの硬度があれば良いのです。川原で硬そうな石を見つけたらハンマーで割って角を出してみましょう。
そして火打金に打ち付けてみてください。火打金の高度を超えていると見事に火花が散ります。子供と、『どんな石が火打石にできるか』なんてことを考えながら川原探索をするのも楽しいですよヽ(=´▽`=)ノ